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戦略的に“物議”をかもして生活者のクチコミを獲得する インフォグラフィックによるクチコミ要素図の分析(第6回)

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物議をかもせば、即座に生活者の話題に取り上げられます。

例えば「まんだらけ」と、それと同じ品揃えの競合店舗―――。この2つの店舗の違いを見てみましょう。

どちらも最高の品揃えであることは間違いありませんが、前者はマスコミと生活者の注目を集めました。競合が手にいれられなかったクチコミを獲得したのです。

今回は“物議をかもした商品・サービス・出来事のクチコミ”の特徴を理解し、戦略的にその話題を引き起こすための方法についてインフォグラフィックを使って考察します。

序章:クチコミ要素図の詳細についてはこちらから

“賛否両論”あるいは“倫理”を利用してクチコミを起こす

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要素図中のクチコミの内容を見てまずわかるのは、送り手と受け手共に“賛否両論がある話題”が印象に残る傾向があることがわかります。

「短編小説について、中頓別町が質問状をだしたこと」「買ってはいけない という本を買ったこと」などの話題がそれにあたります。

短編小説の話題は、小説内に書かれている内容に不適切な点があるのではないかといったことで議論が起こった例です。

「事実と反する」「町をばかにしている」と非難する町の意見があったと同時に、一方でその小説家の本を読んだことのある人やファンからは「そんなことでいちいち質問状を出すのはどうなのか」「表現の自由がなくなる」といった意見もありました。良いか悪いかということは別にして、この短編小説は議論を起こしたという意味では成功したと言えるでしょう。

また、「買ってはいけない」という本ですが、こちらも一昔前に議論が起こりましたね。タイトルの通り、世間で広く流通している商品について買ってはいけない理由などが書かれている書籍ですが、これを書かれた企業側は憤慨しました。しかし、一方で生活者からは「この本は参考になる」「これからの生活に役立つ」といった意見もあり、物議をかもした話題の広がりでこの書籍は大ヒットしました。

これら2つの話題を見てわかるように“賛否両論がある話題”を引き起こしたい場合は文字通り、賛成者と反対者両方の発言が存在するようなコンテンツを提供することが重要なことがわかります。

また、要素図中のクチコミの内容を見てみると上記の話題の他に“倫理的な問題に関する話題”が送り手と受け手共に印象に残る傾向があります。

「ある人が作った音楽はゴーストライターの人が作ったと言う話」「ある企業のCEOにライバル企業の幹部が就任したこと」などの話題がそれにあたります。

ゴーストライターの話はその方にとってネガティブな出来事で有名ですが、結果的に倫理的な問題があるとして物議がかもされ、そのゴーストライターは一気に有名な作曲家となりました。そう、物議がかもされゴーストライターに有利な状況になったのです。

企業のCEOの話題についても同様です。ライバル企業にとっては圧倒的に不利な状況に見えますが、それを良しとしない他企業や生活者は、ある意味ではライバル企業の味方になってクチコミを起こしたのです。

このように、自分以外の何者かが倫理的な問題を起こしたときはクチコミ獲得のチャンスと言えるかもしれません。

“賛否両論がある話題”あるいは“倫理的な問題に関する話題”で物議をかもすべし。意図的にそれができれば、あなたも小説・書籍やゴーストライター級のクチコミを獲得できるでしょう。

ネガティブな感情の矛先を巧みにコントロールする

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感情散布図を見てみると、送り手と受け手共にクチコミ発信・受信時に怒り、軽蔑、嫌悪とネガティブな感情になる傾向があることがわかります。ここで重要なのは、これらのネガティブな感情の矛先が“賛否両論がある話題”と“倫理的な問題に関する話題”でそれぞれ違うということです。

“賛否両論”に関するクチコミの場合は、文字通り賛成者と反対者が存在するため、怒りや軽蔑の矛先が自分にも相手にも向く必要があります。

例えば、先ほどの有名小説家の短編小説のクチコミでは、小説家に対しては「町をばかにしている」、町に対しては「表現の自由がなくなる」という意見があり、そのネガティブな感情は両方に向いています。

一方で、“倫理的な問題に関する話題”の場合は、怒りや軽蔑の矛先が自分ではなく、相手にだけ向く必要があります。

ゴーストライターの例で言えば、ゴーストライターの方に対する批判はほとんどなく、ネガティブな感情の矛先はその相方に向いているのです。

このように物議をかもす話題を生活者に提供する場合は、話題の種類によってクチコミ発信・受信時の感情の矛先をコントロールする必要があります。

“賛否両論がある話題”の場合は自分と相手両方に、“倫理的な問題に関する話題”の場合は相手にのみ感情の矛先を与えるような話題を提供しましょう。

うまくいけば通常のクチコミの10倍の露出度に

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クチコミの人数を見てみると、受け手に関してはクチコミを受け取る人数が1人の次に10人以上が多い傾向になっています(要素図中の「↑」は「以上」を表します。また、送り手のクチコミを送る人数に関しては、1人の次に2人:21%という傾向です)。

前回の“弱者が強者を倒す物語のクチコミ”はクチコミの受信者に対して3人のフリークエンシー、つまり通常のクチコミの1.5~3倍のフリークエンシーになることもあるということを紹介しました。

しかし、“物議をかもした商品・サービス・出来事のクチコミ”はそれをさらに上回る10人以上(通常のクチコミの5~10倍以上)になることもあるのです。

クチコミの受け手に対して大きく露出度を高めたい場合は、一般的な話題よりも、さらに言えば弱者が強者を倒す物語よりも、物議をかもした方が有効と言えます。

 

以上が今回のクチコミ要素図の分析になります。

次回は“有名人がからんだ商品・サービスのクチコミ”についてご紹介します。

  • ●記事内データの出所
  •  -myアンケート(ドゥ・ハウス)調べ
  •  -調査期間:2014年02月17日(月) ~ 2014年02月19日(水)
  •  -対象者属性:男女/20~69歳/全国
  •  -サンプル数
  •   ・クチコミの送り手:2,551サンプル
  •   ・クチコミの受け手:2,310サンプル
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岩田 遼|株式会社ドゥ・ハウス 店頭プロモーション事業部

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